LESSON 2  電線測長技術の歴史

昭和43年までは、電線の測長機はホイール式と呼ばれる方式しかありませんでした。誤差はおよそ0.5%〜1.0%程度です。デジタルの世界では考えられないほど悪い精度で驚かれる人もいるでしょうが、電線の測長に関してはこの程度の数値が限界だったのです。電線の長さは通常電線製造ラインのプラントに組み込まれた測長機で計尺しており、当然動いている電線の長さを測る事になるのです。この動きが蛇行やら上下振動を引き起こし正確な測長を邪魔するのです。ひどい場合には電線表面に水や油が付着しているケースもあります。たかが長さを測るだけなのに実は問題が山積みなのです。昭和43年に入るとホイール式ではなく、ベルト式と呼ばれる方式が横浜に本社を持つスカイ工業で開発されました。ベルト式は電線の上下振動や蛇行を上手に処理してホイール式の5倍〜10倍の精度を達成したのです。その後現在に至るまで改良こそありましたが、ベルト式が最良であるといった評価が定着し国内のほとんどの電線メーカーのラインにはベルト式が使われているというわけです。

<学期末試験>
電線長の測定方式で計尺誤差が少なく優れている方式はどちらでしょうか

1.ホイール式。
2.ベルト式。